24h耐久ツーリング 後編 ~泣きを見た夜の険道と癒しの別所温泉~
8耐ノ週末ヤカラサー・・・ そんなノリで?!始めた耐久ツー
雨にたたられ、途中で切り上げようか・・・?
少しの迷いを抱えながらの日帰り耐久ツーリングでしたが、そんなこんなで(栃木→グンマー→サイタマン→)長野入り。ここまで来たら迷ってる場合じゃない! ってか迷ったところで長距離の高速帰宅レーシングが待ってるだけ。
ならば!
日の出ている限り、走れるだけ走りつづける!
当初の目的どおり、自分がどこまで走れるのかを追求する、ドMツーリング・続行!
出発から13時間・時刻は15時、戦いは後半戦へと突入していくのでした・・・
【前編 ↓】
【 ビーナスライン 】
R299を抜けてここまで来たなら行くっきゃない、ライダー定番のビーナスライン!
茅野まで来て、ビーナスで北上するのかそれともR152で南下するのかを迷ったけど、R152だと帰るまでに通る高速道路区間の距離が長い・・・ そして東名。
今回実は、(区間外も走ることにはなるけど)2輪の高速乗り放題プランに申し込んでのツーリングなので、出来れば帰りは関越で帰りたい!
なので、ここは北上!ビーナスへ!
R152も興味深々なので、こいつは寸又峡とともに次の機会に取っておこう! (呼びかけw)
いざビーナスラインに突撃!!!
そして、来た!!キタ!! 本日まれなる乾いた路面!!!
ドライランドはココにあったんだ!!(歓喜) 久々のドライコンディションに血沸き肉躍るなまもの!
ものの1kmも行かずにどっぷりウエットコンディション・・・
やっぱり今日はウォーターワールドだ(悲哀)
どこまで行っても今日は雨・雨・雨 逃れられない、(カルマ)
女神は雨でぐしょぐしょ・・・
びしょ濡れじゃないかハニー (シャッターアイランド)
「もおエエよ! 今日は晴れなんて期待してないから!」開き直って北上!北上!
どこの景色も雲の中。あんまり写真を撮る気にもなれないで、霧ヶ峰に到着(^^;
名にしおわば 逢坂山のさねかずら・・・・
じゃぁないですが、その名に恥じぬ霧っぷりは、霧ヶ峰。
霧降高原といい霧ヶ峰といい、そんなサービス精神旺盛に本気出してくれなくてもいいんだよ?
みんなで歌おう 霧ヶ峰!
声を合わせて きりが~~みね~~~~~!
パワード バイ 三菱
はいはいはい! トイレ済ませたら足早にさっさと行きますよ!
ところでビーナスライン。前半は開けた景色の中を走るけど、霧ヶ峰以降は森の中に入っていく。
そのカンジが伊豆スカイラインに似てる?なんて思いません? 南北の逆の差はあれど。 なんであんなにもクッキリ景色が変わるんでしょう・・・?
【 美ヶ原林道 】
ビーナスを抜け、美術館も越えて武石に折りてきたら左折して西進!
美ヶ原林道へ入っていきますよ~~~!
林道と言えど「舗装林道」
初めの方はこんな風に2車線あるし、走りやすい道。
でも途中からは、しっかり酷道成分が高くなってきますけどね www
(こんな道でも元は有料道路だったとか?)
見通しも効くところもあるし、楽しい道だと思いますよ!
っというより、自分にとって、初めてバイクに乗ってカーブを曲がることが楽しいと思えた、そんな思い出の道だったりします。
っというのも、わたくしなまもの、今でこそ「舗装林道タノシー! 酷道バンザイ!」なノリで走ってますが、このブログを始めるより前のこと、
昔は、バイクでカーブを走ることが
恐くて、楽しさなんて感じてられない!
酷道なんてとんでもない!
そんなライダーでした!
(告白)
いまの姿とはギャップがありすぎっというか、嗜好が全然違いますかね?! (^^;
バイク乗りの友達にも「カーブとか緊張して恐い」なんて言ってましたね(遠い目)
今でも、決して上手くないし、緊張感とか身構えた気持ちは感じ続けてますが、少なくとも緊張と同時に楽しさも感じられるようなライダーには成れました(>_<)
そんな自分が、セルフステアを意識して、そのためにニーグリップに重きを置いて走ることを課題に走った3年前の美ヶ原林道・・・
初めてバイクでクネクネした道を走る時に、緊張感と共存する楽しさを感じられて、ツーリングが「楽しい」っと思えるようになった。
3年たって、また来た美ヶ原林道はウエットやったけど、オッカナビックリってことも無く走れるようになっててちょっとはツーリングライダーとして成長したような気がしたりね! 懐かしかった!
【 美ヶ原高原道路 (裏ビーナスライン) 】
美ヶ原林道(美ヶ原スカイライン←空なんてほとんど見えない)を西進することしばし、突き当たった丁字路を左折して寄り道! 美ヶ原高原道路、裏ビーナスなんても呼ばれてる道へ! 日没が迫るけど、ダイジョウブイケルイケル!
焼山とか美ヶ原の美術館に裏手から回り込む道、途中から開けてて2車線。なかなかはしる価値のありそうな道・・・
晴れてればね!!!www
行きついた駐車場! なんも見えね!
う~~~ん・・・
さてちなみにこの駐車場、この時間(17時30分)だというのに結構、車が停まっている。駐車場にいた人に聞いてみたとこ、ここから歩いて上にあるホテルに泊まるだったり、ここで夜を明かして明け方出発、山を登って雲海を狙う人がそこそこいるんだとか。なので混んでるんだと。
雲海は「それ魅力!」 やけど、テントもなけりゃ雨で濡れてるし、そんな夜明けを待ってられんのでそそくさ退散! 耐久ツーを続けるべ!
再び美ヶ原林道に戻って西進! 林道の終点、美鈴湖を目指す!
ヘッドライトが頼りの時間が近づいてきてる・・・
そしてこの近づく夕闇からの魔の手が牙を剥く・・・
【 マジで積みかけた・・・地獄の険道181】
走って走って、クタクタのツーリング終盤
ツーリングのシメにいっちょ温泉に行く?!
どんだけ走ってても、温泉ライダー的には1ツーリング1湯は外せない!(使命感)
そこで選んだのは「別所温泉」
昔に行ったビーナスラインツーリングの時にも入りにいった温泉。
その時は、鹿教湯温泉→別所温泉っと、日が暮れてからのハシゴの立ち寄り湯をした思い出。
今回は時間的にも体力的にも1つしか入れそうにない。
ならば、お湯が良かった記憶のある別所温泉の外湯の共同浴場、「大湯」を目指そう!
せっかく行くなら、最後のダメ押し! 日が暮れるその前にもういっちょ山道を!
そんな気持ちで選んだのが、県道、 否!! 険道181号
下調べなく、欲をかいて走りたい! そう思ったのがいけなかった・・・
数十分後、海よりも深い後悔と雪山のように険しい緊張感に奥歯を噛みしめながら耐え抜く30分の試練が待ち受けていたのでした・・・
【18時30分 入山】
おそらく日没までは1時間、Google先生的には、峠を越えて別の県道にあたるまでに走らなきゃならない距離は約20キロちょっと。
ツーリングもラストの山道、雨は降ってて路面はダメやけど通過するだけならいけるでしょう!
「こんな道だったよ~」そんな紹介写真のために1枚押さえつつ、入山!
中央線の無いやや荒れた路面の森の中を抜ける道。よくある険道・酷道といった感じ。これぐらいなら今まで通り。差しさわり無し。
【 19時00分 路面が荒れ始める】
そう思って進んでいくも雨が強くなり、ガスってくる。
「森が深いのもあってちょっと暗さが勝ってきたかな・・・」
そんなふうに思っているうちに、やや路面の荒れと落葉が激しくなってくる・・・
「少し今までの酷道より、コンディションはBadか・・・ 一日の終わりとこの天候で選ぶ道としては外れやったかな・・・」
少しずつ日没が迫り、暗さが増す。
レンズも曇るし、シールドも曇る・・・
雨とガスっているせいで前が見にくい。 仕方なくシールドを開けて走る。今まで聞こえて来なかったタイヤが小石や枝を踏む音が鮮明になる。
この写真の後、徐々に路面の荒れが酷くなり、小石の量も増加。
パーーーン!
タイヤが小石を跳ね飛ばした高い音が、シールドを開けたヘルメットの開口部からダイレクトに聞こえてくる・・・
その音をきっかけに、頭がいろんなリスクを想定し始める。
「ここで万が一パンクしたらやべーな・・・ 入ってから1台も対向車を見てないし、助けを呼べんかも? 慎重に行こう。 県道との合流まではあと何キロ?」
表示は13キロ程度だっただろうか・・・
そんなことよりなにより、目に入った情報からヒリヒリした緊張感が走り出す。
電波は圏外
日没が迫る・・・
雨天、ウエット路面、ガスった視界、落石落葉
もし位置をロストしたらリルートの検索は不可
日没前に抜けたいっという願望むなしく速度は出せない。出したら終わる。
積んだことを悟り始める
そうこうしていくつかのコーナーをやり過ごした先で、いっきに路面状況が悪化!!
時速20キロも出せない状況の路面。ガスもいっきに濃くなり視界不良10メートル。 まるでレースのカーテン越しに見ているかのような視界。
「アカン・・・」
安全のために日没前に山を抜けるっというプランは破棄。日没を迎えることは覚悟のうえで、時間がかかろうとも山をとにかく抜ける方向へと舵を切らざるを得ないタイミングが来たようです。
【 19時30分 そして日没、魔の時間がやって来た 】
路面状況は悪化の一途・・・
それどころか道幅もぐんぐん狭くなる。 途中、幅が1メートルも無いんじゃないかっという軽トラすら怪しいんじゃ?っと思うほどの道路幅。
かんっっっぺきに積んだことがわかる。
そしてついに迎えてしまった日没・・・
真っ暗!
写真を撮る余裕がかろうじて有る路面状況での一枚でコレ!!
道の真ん中は落ち葉の山。良いところでコレなもんやから、より酷いところ、つまり停まって写真なんか撮ってる場合じゃない状況の場所は、もう「察してください」状態。
うねった、かろうじてのアスファルトのその一面を落ち葉と小石が埋め尽くしてる。
それでもタイヤが通るであろう所の路面はアスファルトが露出している・・・
「ってことは少なくとも向こう側に道は続いているに違いない・・・」
すこしでもプラス要素を見つけ出して、心を強く持ってないと折れそう・・・
「ガソリンだってまだまだいっぱいある! ツーリングまっぷるだって持ってる!」
それだけは救い。
だけど、荒れて濡れてガスった路面への対応と緊張感で自然と奥歯を強く噛みしめている自分に気づく。
- もし、ナビが落ちたら再検索は不可・・・
- もし、パンクしたら対応不可、修理キットは無い・・・
- もし、路面が崩落していたら・・・ 近頃大雨が多かったし、今日も一日の雨。この路面と狭さではUターンできなさそう。
- もしバイク倒したら・・・ この足場で起こせる?
- もし、ある日、森の中、プニキに出会ったら? → やべーしか言えね
いろんな想定が浮かんでくる。とにかくできる
この道が終わるまで、県道との合流点までは・・・?
ナビを見る
まだ10キロちょっと・・・
この数字はハッキリ覚えてる。その距離に絶望的な気分になったから。
荒れた路面、時速15キロで停まらないように走り続ける。
とにかく出来ることは、心を強く持って集中すること!
万が一倒れた時のために、落ちる側の斜面とは反対側のタイヤ後を走ること!
自分バイク史上、最悪の悪路・コンディション!
ほんと最後の最後に「やってしもた~!」です。
それをなんとか乗り越えて、下りにはいってしばし、
時刻は20時も回ってたでしょうか・・・
急に視界が開けた緩い右カーブの向こうに、
街灯の光!!!
「抜けた・・・ 乗り切った・・・」
人の気配の光が見えた時、ほっとするっていう状況を聞いたりするけど、あれホンマ!
心底、ほっとしました!
でも、気が抜けた瞬間にヤラレルなんてこともこれまたよく聞く。
最後まで慎重に慎重に!
そして、路面は念願の対向2車線!!!!!
こんどこそ 乗り切った!!!
ツーリング史上最大のピンチをようやく脱したのでした。
そうですね・・・
SSはオフ車じゃありません! (キッパリ)
そして、
酷道が楽しいとか、そういうカーブが楽しいとか、
そういうの、ウソですから!!!(看破)www
なにはともあれ、無事に下界に到達です。
ツラカッタ・・・
マジ コクドウキライ ・・・
【 別所温泉 】
体はクタクタ、緊張で噛みしめすぎた奥歯には違和感・・・
そんな状態なんで、温泉に入るべきか、さっさと帰るべきか、これまた悩みどころではあったものの、「このまま休憩なしに疲れた状態では走り続けられやせん」
そう判断して、休憩も兼ねてやっぱり温泉へ。こころも一旦、落ち着かせないと・・・
向かったのは当初の予定通りの「別所温泉 大湯」
別所温泉には3つの外湯があるようなのですが今回も大湯。 思えば別のを試してみれば良かった?!
さて3年前と変わらぬ温泉街の様子に、変わらぬ大湯の佇まい。
それこそ這う這うの体で到達した自分にはホッとする色味の電球に照らされた建屋。
(その3年前のことを書いた記事↓)
namamono04.hatenablog.com
あの時と同じく、そとの券売機で入湯の券を買って番台に渡して入湯。
ほんとに心地いい。
出発してからの17時間分の疲れが染み出すよう!
お湯は相変わらず「温泉気分にさせてくれる」硫黄臭の温泉。
黄緑色の有色透明のお湯が心地いい!
入口では飲泉もできるようで、とろみと硫黄臭を感じるお湯。
外の露天風呂だと少しの湯の華もあって、夏なのに雨でひんやりした気温と相まって心地よさったらない!
さっきまでの酷道で感じてたヒリヒリ感とは真逆すぎるまったり癒し系のギャップったら!www
疲れすぎない程度のほどほどに楽しんで、シメのコーヒー牛乳までのフルコースまでをキメたら、いよいよ帰宅!
別所温泉 大湯
- 泉質 硫黄泉
- 源泉温度 50.6℃
- pH 8.9
- 主な陽イオン ナトリウムイオン・カルシウムイオン
- 主な陰イオン 硫酸イオン・塩酸イオン・炭酸水素イオン
- ガス成分 硫化水素
- 成分総計 0.307 g/kg
- ドライヤー なし
- 石鹸/シャンプー なし/なし
- 立ち寄り湯時間 午前6時~午後10時
- 露天風呂 あり
【帰宅レーシング】
時刻は21時30分
いよいよ帰宅レーシングの開幕! もうさっさと高速に乗って帰るにかぎる! そんなスタートをイキナリ事故渋滞に阻まれつつ(なんか高速乗る前に渋滞にはまったし、パジェロミニがペシャってなってた・・・)、東部湯の丸なるナニヤラソソラレル名前のインターから上へ!
帰りの高速も、やっぱり雨!!
最後まで、雨から逃れられずな一日・・・ しかたない (-_-;
視界が悪くてまたまた精神が削られますな~
最後の方はさすがにあまりに眠くて休憩多め・・・(^^;
24時間以内の完走も見えて来たので、三芳まで戻ってきたタイミングで外の椅子で仮眠・・・
そんなこんなで出発から23.5時間、午前2時
総走行距離 884キロメートル 下道570キロ
日帰り・耐久ツーリング! これにて完結!!
朝のガソリンスタンド迷走、雨天、ルートミスの酷道が無ければ、 そして温泉を諦めれば、夢の1,000キロも達成できたかも?!
次回の目標ですかね~www
そんなこんなで!
しゅ~~~~りょ~~~~~~
じゃーーーーん!!